▶ 三河湾の大潮と澪留が実施された小潮
小潮は干満の差が少なく潮流による危険や堤防・澪留の破損の防止につながる
▶ 神野金之助重行と神野三郎伝には澪留は大落潮時とあるが間違いの様
・書籍「神野新田紀事」の記述には、澪留の作業時刻はあるが潮の説明は無い。
・書籍「神野金之助重行」に澪留は大落潮の干潮時に行われたと記載されている。
・書籍「神野金三郎伝」に「神野金之助重行」を引用して、澪留は大落潮の干潮時にとある。
大落潮が大潮のことであれば、大潮の干潮時なら干拓地内の海水が最も少ないので好都合だと
頭で考えて記述したのであろうと推察する。
▶ 神野新田の澪留の状況(神野新田紀事の17章)
数千の人夫は紅白の手ぬぐいを頭に巻き、その色で甲乙の両部隊に分かれ開始の太鼓が鳴るのを待っていた。
また海上には無数の船舶が各小石入の叺(カマス)を積んで澪口に向かう準備を整えていた。
▶ 資材の輸送が船であったので、ある程度の水深が必要
・上記にあるよう、重い荷物を積んだ船が澪口にたどり着ける水深が必要である。
(大潮の干潮時の水深が38cm、空船でも底が着いて進まなくなる)
・作業時刻が記述されている神野新田の澪留は、満ち潮中で水深1mから作業を開始している。
・満ち潮なら重い荷物を積んだ船が潮の流れに載り、楽に沖から澪口に押してくれる。
・澪に積んだ資財が高くなるにつれて潮も高くなるので澪に資材を積み易くなる
・小潮以外は干満差が大きく潮流で澪留が破損する危険性が高いので避けたと推定する。